僕がこれまで出会ってきた人のうちの何人か。
Aさん・・・
緻密な仕事をする人でした。
でも、会社の机の上はいつもゴミ箱状態。
手づかみしちゃいけない食べ物をつい手づかみで食べる癖もあって、上司にはよく叱られてました。
それでも専門知識が頼られるもんだから、独身ですが、いまも優雅に都心一等地のマンションで暮らしています。
私立の名門大卒。
Bさん・・・
論理的で、思ったことを口に出さずにいるのが苦手。
会議中、「やっぱり納得できない!」と、しょっ中ちゃぶ台返し。
以心伝心といった感覚に弱く、
先輩に「それ、大丈夫、みんなわかってることだから」って、よくなだめられたりしていました。
独立して会社をつくり、成功したように聞いています。
本屋さんで著書を見かけたこともありますよ。
Cさん・・・
仕事中、ストレスがたまると、いきなり叫ぶ癖がありました。
びっくりさせられたもんです。
モノを丁寧に扱えない様子で、貸した紙資料がグニャグニャのボロボロに汚れて返ってきたことも。
日本で二番目の難関国立大卒。
その後、結構知られた会社の役員になっているのを見かけたような・・・
Dさん・・・
話していると、なぜかあごを段々と引きはじめ、鋭い上目遣いで睨んでくるという不気味な癖あり。
つまりは第一印象最悪。
最初は驚きました。
でも、公益団体の世話人になっていたり、コンサルティングをしたり、かなり活躍しています。
以上の皆さんの奇妙な癖や行動を僕が目の当たりにしていたのは、いずれも、「発達障害」とか「ADHD」とかいった人間へのタグが、世の中に広まっていなかった頃です。
そして、これ、とても大事なことだと思うんですが、
上記の皆さん、揃って当時、自分が普通の人と比べて「変」だって、自覚していた様子がありませんでした。
繰り返しますよ。
おそらく「自覚されてはいませんでした」。
Cさんなんか、自分が仕事中に「ズァー!」とか「クハァッ!」なんて叫んでいたこと、結局のところ、記憶にないんじゃないだろうか。
なので、僕は思うんですよ。
自己分析とか、わが子の資質はどのタイプとか、
適性はどうとか、
言葉にしたり、書き出させたりして、それをその人に自覚させるほどに、
自覚した内側の小さな空間に、その人が納まっていってしまうことって、あるんじゃないかなと。
「変」な人に対して、「自分が変だ」ということをはっきりと自覚させることって、その人から未来を奪う残酷な行為になっているのかもしれないな・・・と。
そんなところです。
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(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)