セールス電話がよくかかってきます。
固定電話の方に。
投資話、事務機器のリース、ネットの通信回線セールス・・・などなど。
多分、一般の皆さんの数倍以上の頻度だと思います。
理由があるんですよ。
上記の発信元の面々からもご推察のとおり、電話番号が、実は法人名義になっているんです。僕のは。
まぬけで悲しい理由は本題から外れるので端折ります。
また今度、話を聞いてやってください。
さて、そういうわけなので、
とりあえず頻繁に電話が来ます。
「社長様ですか?〇〇球場の年間指定席をぜひ」なんていうのもあります。
それでも、どの電話にも、温かく丁寧に、対応しています。
ただし、他人には言っていません。
「アホか」って言われそうで。
だから、はじめてここに書きます。
こんな対応の仕方が僕のパターンです。うそではありません。
電話に出ます。すると・・・
「〇〇トレードの△△と申します。社長様(あるいは〇〇担当様)はいらっしゃいますでしょうか」
「え~と、ごめんなさい。どちらさまですか? もう一度」
(セールス電話の名乗りは、大抵早口で聞き取りづらいので、9割方こうなります)
「〇〇トレードの△△と申します。社長様は」
「私がそのような者です」
「失礼いたしました。本日は当社の〇〇プランのご紹介で・・・云々かんぬん(略)」
(キリのいいところまで、話は聞いてあげます)
「そうですか。ええと、ごめんなさい。お話をまとめますと、△△さんは、つまり私に〇〇プランとおっしゃる投資商品のおススメをしてくださってるということですかね?」
「そうです」
「いやあ、それはどうもありがとう。ただ、残念なんですがお話をおうかがいしてあげたくても、私、先立つものがさっぱりで(事実)」
「いえいえ、そんな」
「投資どころか、目の前の100円、200円に四苦八苦しているような状況です」
「ご謙遜を」
「△△さんだけでなく、ありがたいことに、色んな会社さんから同じようなお電話をたくさんいただくんですが」
「はい・・・」
「いつか私もがんばって、皆さんのご期待に沿えるくらいにはなりたいと思っているところです」
大体、こんな感じで本筋のやりとりは終わります。
最後は・・・
「お役に立てずにごめんなさいね。お電話ありがとう。おつかれさま」
で、切ります。
・・・アホでしょ?
でもね、これが僕のベストなんですよ。
なぜか?
つまり、結果は決まっているんです。
結局、僕は100%、電話でセールスしてくる相手のお話はお断りするんです。
すると残りの選択肢は、断り方をどうするか? のみになってきますでしょ?
そのとき僕が選ぶのは、自分が「怒った」記憶を残さないこと。これなんです。
そこにも理由があって、
僕には人生の後悔がいくつも、いくつもあるんですが、そのほとんどが、ひもといてみると「怒った」ことでの後悔なんです。
肉親に対し、他人に対し・・・。
なので、なるべくどんな人間に対しても、自分が怒りをぶつけた記憶、怒りを表した記憶を「自分が」残したくはない。残りの人生。
要は怒るのがイヤ。
それがための、上記のアホな対応です。
セールス電話って、いまどき実に罪深いものですよね。
勝手にズカズカと、こちらの貴重な時間を奪ってくる。
善意に乏しいものが多いだろうし、120%悪意のものもあるはずです。
怒って当然ですよね。
セールスと分かった瞬間に「結構です!」と、怒気を交じえながら電話を切ったり、あるいは無言でブツ!ガチャン!
もちろん、それでも相手は、そんな冷たい対応にはすっかり慣れてもいるはずで、ほとんどの場合、傷つくこともショックを感じることも無いのでしょう。
しかしながら僕の場合、厄介なことに、自分が傷ついてしまうんですね。
「やべ。今日は怒っちゃった・・・」って。
そして、ときにはこんなくだらない想像までするんですね。
たとえば、
昼間僕と一瞬言葉を交わしたテレフォンアポインターさんが、疲れきって駅のプラットフォームに立つ、どんよりした姿・・・
その人が、ワンルームの床に倒れ込みながら、
「大丈夫。こっちは元気」
なんて、明るい笑顔のスタンプをくっつけて、田舎のお母さんにLINEのメッセージを返信している姿・・・
そのお母さんは、たとえば去年、病気で重い手術を受けていたり・・・
・・・もはや妄想ですね(笑)
ですが、僕の場合はそんな妄想さえしてしまう。困ったことに。
そこで、そんなくだらない妄想や後悔に心を煩わせる時間をあとでつくらないために、セールス電話には優しく1~2分くらい付き合ってあげるんです。
それが、僕という個人にとっては一番効率的で、精神上も健康的。
自分に一番向いた答えです。
おそまつ。
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(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)