道草反省日記

誰かの反省、それはみんなのお役立ち

勤勉にイラつく!僕は最近日本人っぽくなくなりました

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先日、ニュースを観ました。

ネット上でですが、きっとテレビでも放映されたんじゃないでしょうか。

 

猛暑に襲われているある町でのお話です。

 

実はその町は、例年はそんなに暑くならないんです。

そういう気候の地域だから。

 

ところがこの夏は、異例の暑さに見舞われて、人びとがあえいでいます。

 

「エアコン取り付けてくれ~!」

が、町の電気屋さんに殺到しているんだそうです。

 

そんな電気屋さんのご主人らしき青年に、カメラが密着していました。

 

お客さんの家の、暑くなった部屋の天井近くまで脚立でのぼり、奮闘していました。

 

もちろん、汗でぐっしょり。

 

「6月下旬から休みなし。熱中症とまではいかないんだろうが、作業中気が遠くなりそうになることも」

 

「でも、頼まれた以上、仕事が遅れるのはよくない。頑張る」

 

そんなこと言ってましたね。

 

さあ、こんなニュースを観せられて、20年くらい前の僕ならどう思ったか。

 

「うわあ、立派だな。仕事を通して地域に尽くしているんだな」

ですね。多分。

 

「見習わなきゃ」

でしょう。多分。

 

でも、いまは違います。

「あのね、すまないがそれ、ぜんぜん美しくないよ」

です。

 

もっと言いましょう。

「見てて暑苦しいよ」

「世の中殺伐とさせないでくれ」

ですね。

 

「君、同業者の知り合いいないのか? 地域の商工会かなんか入ってんじゃないのか? お客さんの家のリビングでぶっ倒れそうになってるなんて勤勉自慢してないで、連絡取り合ったらどうなんだよ。注文シェアして、みんなでこなせよ。要は金か? ひとり占めか?」

です。

 

ただし報道って、かならず枝葉を切り取られたかたちで発信されていますからね。

 

しかもともすれば、電気屋さんは、報道側がつくりたいストーリーに沿って「セリフ」を読んでいるだけの可能性もありえます。

 

なので以上の感想は、この電気屋さんが、

 

・何ら工夫なく

・過大な注文を全て一身に受け

・「遅れず仕事する」の正義を一点張りに

・自らが倒れそうになりつつ働いている

 

と、のみ、認識した上でのことです。

 

なのでひょっとすると、この電気屋さんは、ご近所の熱中症の心配がある高齢者のお宅からの注文をもっぱら優先し、大車輪でこなしているため、

 

「その人たちの分については、とにかく急ぎたい」

「それが終わったら一旦休む」

「もちろん隣町の電気屋さんにも応援をお願いしている」

 

実は、そんなところなのかもしれません。

 

さらに・・・少し前にも、

テレビ局制作の番組で、ある新食材を開発した、地方の小さな会社が採り上げられているのをネットで観ました。

 

その新食材が、大手スーパーの目に留まり、大量発注が予想される段階となった・・・そんなお話です。

 

さてそこで、社長さん曰く、

「早速、24時間稼働での生産体制をととのえます!」

 

昔々の僕なら、

「おお!気合入ってんな!」です。

 

でも、いまの僕はそうは思えません。

 

「社長さん、あんた、夜ぐっすり眠れなくなるぜ」

です。

 

機械が止まり、灯りが落ち、従業員が帰宅し、その場が無人にならない限り、真面目な工場経営者であれば、心はつねに会社の中にあります。

 

彼の魂は帰宅できません。

 

「24時間、たたかいますか?」です。

 

ちなみにその新食材は、社長さんの血のにじむような工夫や研究、努力の結果、出来上がったものでした。

 

ですがそれでも、いつまでも独占は無理です。

 

いま現在にかぎっては、その食材を生み出せるのは、社長さんのところにしか置かれていない工夫された機械であり、ラインだけなのかもしれません。

 

でも、それはすぐに一般化するんです。

その食材が本当にすばらしいものであればあるほど。

 

市場のニーズが増えれば、それに応えるため、生産側のプレイヤーもまた増えざるをえないんです。

 

しかも、それを一番望んでいるのがスーパーです。彼らは、ほかのプレイヤーにもシステムを移植したがります。競争を歓迎します。

 

プレイヤー間でのしんどいせめぎ合いがはじまります。

商品もコモディティ化し、生産方法もコモディティ化します。

 

そしてそれこそが、スーパーのみならずわれわれ消費者も、無慈悲に望んでしまう未来であるというのが辛い真実です。

 

なので社長さんは、24時間たたかって「生産の独占」を追求するよりも、その食材や生産方法に関しての「知財」をいかに独占するかを追求した方が、きっと投資も安上がりで、あとあと幸福であるような気がします。

 

のどかな田舎に、24時間ウンウンと機械の唸る戦場をわざわざつくりますか?

 

社長さんにあってはぜひ、さらなる研究と新たな開発の方にこそ邁進し、生産の方は早々に手離れをさせるみちを選んでほしいような気がします。

 

もっとも以上にあっても、僕が観ているのは、もちろん報道の側が切り取って提供してくれている情報までです。

 

社長さんの「よし、24時間がんばるぞ!」の決意のシーンをクライマックスに据えた上での(半)創作ドラマを僕が観せられている可能性も、やはりもちろんあるわけです。

 

少し前に、僕の弟が、仕事の出張先で倒れたんですね。

 

頭部切開におよんだ手術のあと、いまリハビリ中です。いつ職場復帰できるのかは、まだ混沌とした状態です。

子どもが3人います。

 

そこで、この話の最初の「電気屋さん」ですが、

彼がもしも本当に過労で倒れて、どうにかなっちゃったとしたら・・・

途方に暮れる奥さんや小さな子どもが、なんとなくいそうな年恰好だよな・・・

そう、画面を観ていて勝手に思ったんですね。

 

それがゆえの以上の駄文でした。

 

おそまつ。

 

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(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)