こんにちは!
今日は、なぜか朝に急に思い出した、少し昔の経験談をお話ししますね。
もしかしたら、悩んでいる人の役に立つかも。
いや・・・どうでしょう。
ただの笑い話か、僕が皆さんにすっかり呆れられるくらいのお話になってしまうかもしれません。
テーマは、野良猫です。
イタリアでは「自由ネコ」と呼びますね。
僕はこの呼び方がとても好きです。
とはいえ、この文章は日本語で日本人の皆さん向けに書いていますので、とりあえずここでは「野良猫」でいきましょう。
臭い!臭い!臭い!
ご自宅の庭などに、野良猫が侵入してきて、おしっこをしていく、ときにはウンコまでしていく・・・と、いうことで、
「臭い!」
「臭い!」
「臭い!」
と、悩んでいる方はいませんか?
昔、僕も自宅で、大いに悩まされていたことがあるんです。
場所は玄関前でした。
わが家の真ん前。
アスファルトが古くなって剥がれた場所に、砂が溜まって、まるでおあつらえむきのネコ用トイレになっているようなところが、数ヶ所あったんですね。
そこに、茶だの白だの三毛だの、近所の面々が、次々やってくるんです。
やってきて、のっつりと「大」をする。
「小」もする。
オスネコの場合、マーキングもする。
しかも、マーキングをするオスネコは、なぜか、わが家のドアや壁を標的にするんです。
これがすこぶる臭い!
参りました。
そのため僕は、彼らの飼い主でもないのに、しょっちゅうウンコを拾わされ、黄色くシミの付いたドアや壁を洗わされる・・・大変悲しい時期が、しばらく続きました。
外ですから、もちろんウンコにはハエが集まります。
作業中は周りをブンブンと飛んで僕の顔にもとまるという、なかなか無慈悲な状況にもたびたび見舞われました。
「どうしたら、あいつらにこれをやめてもらえるんだ?」
と、考えました。
妙案が湧きました!
役所に言って、道路を改修してもらう・・・?
ところが、そこは私道なんです。
聞いてみると、何やら権利関係も入り組んでいて面倒くさい様子。
「なるほど道理で、舗装もいまどきパッチワーク風で雑なはずだ」
と、おくればせながら納得させられる始末でした。
ちなみに僕は家を借りてそこに住んでいましたので、当然ですが、何か言いだせる立場の地権者でもありません。
しばらく悩みながら、やがて、一計を案じました。
「そうだ。ウチの玄関前はオレの縄張りなんだから、俺が先にマーキングしよう!」
作業は早速、思いついたその晩からスタートとなりました。
トイレで、僕はまるで検尿のときのように、紙コップで自分のおしっこを採取。
当時いた妻に、「こぼさないでよ!」ときつくクギを刺されながら、
夜闇の中、ご近所の目にふれないよう、忍び足で玄関周りを歩き回り、一円にそれを撒きました。
結果はどうか?
効きました。
撒いてから丸3日間にわたって、ネコたちがウンコをしに来ません。マーキングもされません。
「こりゃすごい!」
と、驚いたのと同時に、自分も野生を取り戻したような、動物の世界に仲間入りできたかのような、妙にうれしい気分にもなりました。
雨は大敵
ところが、撒いて4日目になると、あれ?
またウンコが登場。
このパターンが2度続いたため、
「ははあ、効き目は3日程度か」
と、いうことで、以降は中2日をおきながら、僕はマーキングを継続することにしました。
結果として、これをやっている間、ネコによる被害は激減しました。
ただし、大敵が存在しました。
雨です。
特に大雨や長雨に洗われると、効き目は一気に無くなります。
すると、まるで電車の空席をねらうかのように、すばやくやってくるのがいるんですね。彼らはやはり、そういった熾烈な野生の世界に生きているんです。
では、雨が降っても、それでも縄張りを誇示したかったのならば、僕はどうすればよかったか?
答えはやはり「大」なんでしょう。自分の「大」を置く。
でも、さすがにそれだと、ネコのウンコ以上に近所迷惑でわけがわからないことになってしまいますし、作業自体、とてもやる気がしません。もちろんやりませんでした。
さてさて。その後の顛末です。
人目を忍んでの夜のマーキング作業も、続けること約半年。さすがにパターン化し、苦痛になってきた頃のこと・・・
突然の僥倖がありました。
下水道管の工事が始まったんです。
家の前は、舗装ごとすっかり掘り返されました。そして、そのあとには黒々とした新品のアスファルトが!
窪みもない、穴もない、きれいなフラットの状態で!
それですべては終わりました。
ネコたちがトイレにしたくなるような、砂の溜まった窪地は、全部消えてしまいました。
それでも彼らは相変わらず近所を駆け回ってはいましたが、わが家の玄関前は、もうトイレやマーキングの場所ではなくなりました。
同時に、僕も縄張りを主張する必要がなくなりました。
以上、めでたしめでたし、おそまつさま。
と、なりました。
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)