こんにちは!
いきなりですが、
「好きなことで生きていく」
ホリエモンさんなんかが提唱されていますね。
僕も賛成です。
大賛成です。
それって人生の幸せです。
目指すことも幸せです。
目指せることも幸せです。
ただ、これ、実はそんなに新しい価値観でもないんですよ。
「好きこそものの上手なれ」
っていう言葉、昔からありましたでしょ?
それでも、
高度成長・終身雇用・年功序列 の時代は、
「好き」→「上手」
の道を選ぶことが、そうじゃない一方の
「我慢」→「安定」
の道よりも圧倒的にリスキーだったので、
「好きなことで生きる~」「好きこそ上手~」の考え方って、みんなが普段、なるべく忘れようとしていた価値観だったことは、おそらく事実なんだろうと思います。
ただ、
「好きなことで生きていく」にしても、
「好きこそものの上手なれ」にしても、
この言葉って、ちょっと気をつけないと、多分誤解をしやすいんです。
50代フリーターの僕が、僕なりに整理しますので、もし納得がいくようであれば、ぜひ参考にしてくださいね。
好きなこと=「趣味」だと思いがちです
さて、「好きなことで生きていく」の「好きなこと」ですが、皆さんはどんなことを想像しますか?
絵を描く、文章を書く、音楽を奏でる、スポーツをする、何かの研究をする、旅に出て写真を撮る・・・
おそらく大半の人が、そうしたイメージを思い浮かべるんじゃないかと思います。
これらは、「商売に出来なければ趣味に留まる」活動ですね。
昔はこれで食べていくことを目指しても、99.9%以上の人が叶いませんでした。
ただし、ネット社会になって、こうした趣味や特技をお金に変えられる可能性がグンと広がりました。
プロダクトを通さずに、個人が直接そのクリエイションをマーケットに問える環境が整ったからです。
これって、とてもとても、すばらしいことです。
カリスマ達の「好きなこと」は意味が違います
一方、ホリエモンさんや、ネットの中のカリスマと呼ばれるような人が、「好きなこと」という場合、これらとはちょっと意味が違っていると感じることがありませんか?
トップ営業マン → 中学校の校長先生 → いまは日本を代表する教育改革のリーダーになっている元リクルートの藤原和博さん。まさに「好きなこと」をやり続けている様子ですけれど、こちらも、絵を描くことや、詞を書いて歌を歌うこととは、ちょっと違っている感じがしませんか?
そうなんです。
彼らの「好きなこと」って、おそらく絵とか写真とか、具体的なものを指しているんじゃないんです。
何かの目標をかかげ、
邁進し、
達成すること―――。
彼らはこのプロセスそのものが好きなんです。
なので、このプロセスが乗っかるものであれば、要は、器は何でもいいんです。
たとえば昔、「カカクコム」を立ち上げた槙野光昭さんは、いまは美容室を経営していますよね。業界のかたちを変えようと、改革に燃えています。
でも、察するところ、彼は、お客様のヘアスタイルを考えるのがもとから好きな人だったというわけではないでしょう。
ではなく、彼は会社経営を通して社会を変えることこそが好きなんです。(カカクコムを通して好きになったんです)
そこで、今回たまたま目にとまったのが、美容ということなのではないでしょうか。
島耕作は挫折しない
さて、
こうした、いわゆる「仕事をそのまま趣味にできる人」って、そもそも活躍の場が広く、成功の可能性がおよぶ範囲も広いんです。
サラリーマンでも、まったく毛色の違う部署に次々異動させられても、ちゃんと結果を残せる人っていますよね?
たとえば、空想の人物ですが、島耕作みたいな。
広告を作れ、レコードを売れ、M&Aを担当しろ!・・・降りかかってくるどんな課題もたちまち「好き」になれちゃう。好きになるから成績も上がっちゃう。
こういう人にとっては、繰り返しますが、与えられた課題・目標がそのまま「好きなこと」になるので、彼らが「好きなことで生きていこう」と言う場合、漫画を描くことだけで食べて行こうとしたり、小説だけを書いて有名になろうとするのとは、ちょっと違った世界を示しているものと解釈しておいた方が無難です。
つまり、ホリエモンさんが、「好きなことだけやって生きていけ!」という場合、彼のいう好きなことって、縦にも横にも、無限に範囲が広いんですね。
なので、夢一個の挫折が人生の挫折、ということにはならないんです。
「将棋一本で生きていく」とは、微妙に違う話だと、僕は解釈しています。
クリエイションの落とし穴には要注意!
ここで、余計なことですが付け加えると、
「趣味を仕事にしたい」タイプの人、中でもクリエイション系の人には、落っこちやすい落とし穴がありますから、そこにもぜひ注意を払ってください。
それは、自分をマーケットにしてしまうことです。
その趣味で食べていくには、他人にお金を払ってもらわないといけませんよね?
そのためには、あなたのクリエイションは、あなたの満足のみを得るためのものであってはいけないんです。
そうではなく、あなたも他人も満足するものでなければ。
もっといえば、あなたにとってはイマイチ不満でも、それでも他人が優先です。
他人こそを満足させるものをつくり上げないと、商売にはならないんです。
その点、与えられた仕事をそのまま好きなことに出来てしまう、幸せなタイプの人の場合、マーケットに支持されること自体が、そもそも仕事の目標としてセットされています。自己満足の落とし穴にはまることは、調子に乗って前後を見失わない限り、基本はないはずです。
「俺の芸術を世間はなぜわかってくれないんだ!」
が、この場合、生じないということですね。
ただし「なぜわかってくれないんだ!」のはるか先で、偉大なゴッホになる人はいますよ。
それでも若い君よ、ガンガン行こう!
さてさて。
長くなりました。
なお、以上は、趣味を仕事にする夢を持っている人に対し、「無謀な冒険をするな」と、言っているのではありません。
むしろガンガン冒険すべきです。ガンガン!
いまはどのみち、ひたすら我慢の人生を選んだところで、過去に比べ安全は格段に保障されない、実にエキサイティングな世の中になっているのですから。
ガンガン行ってくださいね!
僕もそうします。
おそまつ。
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(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)