道草反省日記

誰かの反省、それはみんなのお役立ち

「いい」を「良い」と表記するのはヤメないか? 「いい」と「よい」は違うから

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さてさて。

僕がワープロ、ワードプロセッサーというものを初めて触ったのは、たしか昭和60年かその翌年のことでした。

 

PCに入っているアプリケーションではありませんよ。

 

「松」(’83)でもない、

「一太郎」(’85)でもない、

 

リコーの専用機でした。たしか70万円を超えていましたね。

12インチくらいの、カラーではない、グリーンディスプレイが付いていました。

 

グリーンディスプレイ・・・

覚えていますか?

 

凝視しつづけると、周りの白いものすべてがピンク色に見えだすアレです。

「補色」ですね。

 

ともあれ、すごい時代でした。

ワープロとしての機能しかない、文字どおりの「ワープロ」が70万円以上もしていたんです。

 

それでも当時、その機種はオフィス用としては普及型で、結構安かったと記憶しています。

動きも速かったですね。

5インチのペラペラなフロッピーディスクを使う仕様だったような気がします。

 

その後、月日が経ちまして、いまはワープロ専用機という存在そのものが消えて無くなりました。

それとも・・・探せばまだどこかにあるんでしょうか?

「ポメラ」がそう?

 

まあいいや。

それは置いといて、ハナシを進めましょう。

 

ワープロなどに始まった、コンピュータによる日本語変換が誰にでも日常のものになってからしばらく・・・

 

残念だなあ、と僕には感じられる現象が起き始めました。

 

その一番のもの。

 

「いい」という言葉が、やたら「良い」と表記されるようになりました。

 

十中八九、変換が原因ですね。

 

間違いではないんだけれど、これ、とても残念だなあ。

 

僕が思うに、「良い」は、「よい」専用の漢字づかいにしておいた方がいいんです。

その表記を「よい」と発音させたい場合に限って「良い」。

 

そのことによって、「いい」と「よい」を別けておきたい。

 

なんとなれば、

「いい」と「よい」って、違いますでしょ?

 

簡単にいってしまうと、パブリックな肯定を示すのが「よい」で、私的な肯定を示す言葉が「いい」です。

 

たとえば、泥棒のリーダーが、子どもに万引きをさせるとしますね。

 

首尾よく仕事を終えて帰ってきた子どもに、

「へっへっへ。上手くやったな。よい子だ」

では変ですね。

 

万引きは、パブリックにはいけないことなんですから。

 

なので、

「へっへっへ。上手くやったな。いい子だ。小遣いをやろう」

こっちが正解(?)です。

 

「あら、あんた、いい男じゃないのさ」

なんて、小紋着姿のかたせ梨乃さんにぜひ言われてみたいものです。

 

「あら、よい男」

じゃ、この場合さっぱりセリフになりませんね。

 

「いい」は主に個人的な価値観や美感、損得、好悪にもとづいて使われる言葉であり、「よい」は主に公的な視点からの良否を示す言葉です。

 

われわれは、意識せずとも自然にこの使い分けをしてきています。

 

「いいね!」であって、「よいね!」ではないでしょう?

 

その「いいね!」は、私(わたくし)としての私が発信しているメッセージなので、すなわち「いいね!」なんです。

 

日本語って、とてもいい(←)言葉だとは思うんですが、言語としてかなり貧困な側面も持っています。

 

その中で「いい」と「よい」は、それぞれどういう発生をしたのかはわかりませんが、結果としてこの使い分けは、かなり上出来な工夫です。

 

取る 採る 摂る 撮る 執る 獲る 捕る 録る・・・の、日本語あるある地獄を避けられていますから。 

 

ところがです。

そのせっかくの上出来な結果が、「いい」が「良い」と表記されることで、しらみつぶしに潰されていくんですね。

 

テレビのテロップがそうでしょ?

「良いかげんにせんかい!」なんて調子で。

 

これ、おそらく未来の日本語の使い勝手に向けて、決してよい(←)ことではないのであろうなと、ワタクシいつも思っとります。

 

おそまつ!

 

(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)