さて、今回は高齢者が起こす交通事故について。
これ、他人ごとではありません。
僕にもいなかに車を運転する親がいます。70を超えています。
実は、いまから書くことは、その親に対し、これから僕がススメようと思っていることなんです。
そのこととは、
「マニュアルに乗り換えなよ」
これです。
マニュアル車に乗り換えてもらうんです。
そうすれば、一番の悪夢、アクセルとブレーキの踏み間違えが起こりません。
「人生の晩年を車で他人の命を奪った加害者として過ごす」
そんなすさまじい境遇に親をおきたくなかったら、
もちろん、
「運転やめなよ」が、最上の提案なんでしょうが、
そうもいかない場合(僕のところはまさにそうなんです)、
僕は、いま時点では上記が次善の策なんだろうと思います。
近く、親へ伝えます。
なお、幸いにして、いまの70代あたりといえば、ほとんどがかつてはマニュアルトランスミッションを自在に操っていた人びとです。
50代の僕でもそうですよ。
若い頃、オートマに乗っていた友人はひとりもいませんでした。18~24歳くらいの時分ですね。
なので、多くの場合、割と楽に勘を取り戻せるはずです。
ところで、僕が思うに、
オートマチックなど、クラッチペダルのないツーペダルの車で、右足だけでアクセルとブレーキの両方をいつも踏んでいるという場合、
年齢にかかわらず、
「アクセルとブレーキの踏み間違え」をしない人なんて、そもそもいないんじゃないだろうか。
いかがですか?
少なくとも、僕の知っている運転者の中で、これを経験したことのない人は皆無です。
ちなみにひとり、踏み間違えで川へ落ちかけた知り合いがいますね。
それほど、
「ツーペダル・右足のみ」って、危険なんです。本来は。
なので、指摘する声は30年以上前からありましたよね。
「オートマでは左足でブレーキを踏むべきだ。左右の足の役目を別けないと、とにかく危ない」
なんてコラムが、たびたび自動車雑誌に載りました。
ところが、これはこれで当時はムリがあったんです。
当時、ツーペダルに乗り始める人というのは、誰もが、マニュアル → オートマチックへの乗り換え組でしたから。
「クラッチだけを踏んでいた左足でいまさらブレーキを踏めと言われても、そっちの方が危ないよ・・・」
誰もがそんな結論に至りました。
なお、おそらく多くのドライバーは、
頭と身体が老化するとともに、
誰もが不意にやらかすこの「アクセル・ブレーキの踏み間違い」が起きたとき、素早くペダルを踏み替えるのが困難になっていくんでしょうね。
つまり、リカバーの問題です。
僕はどうもそんな気がしています。
さてさて。
ところで、老人の運転が危ない、老人の運転が危ないと、シュプレヒコールの鳴り止まない昨今ですが、
統計上、本当は危ないのは若者です。
これは昔から変わらないことで、僕もかつてはそのひとりでした。
そういったデータは、警察庁がちゃんと毎年公表してくれています。
たとえば・・・
■ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数(平成30年中)です。
さらには、
■ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別交通事故件数の推移です
(以上、警察庁:平成30年中の交通事故の発生状況より)
なお、第1当事者とは何を指しているかというと、
「事故当事者のうち最も過失の重い者」です。
このとおり、ホントに昔と変わりませんよね。
24歳くらいまでの事故率って、やっぱし高いんです。
老人の場合、85歳以上になって、やっと20代全般の事故率に追いすがるといった格好です。もちろん追いっすがっちゃいけませんが。
ただし、です。
交通事故全体じゃなく、死亡事故となると様子が変わってきます。
■ 年齢層別免許保有者10万人当たり「死亡」事故件数(平成30年中)です。
つまり、「事故、その結果、誰かが死亡」の確率です。
この確率が、お年寄りが第1当事者になるとグッと上がってくるんですね。
■ 年齢層別「死亡」事故件数の推移です。
(以上、警察庁:平成30年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について より)
こちらは率ではなく件数ですから、高齢者人口の増加とともに、交通事故で亡くなる高齢者の数自体も当然ながら徐々に増えていく、といったかたちです。
70~79歳の数字が平成29~30年の間で急に上がっているのが目に付きますね。
一方、20~29歳の急落ぶりというのは(先に挙げた事故件数全体のグラフもそうですが)・・・
さては、
この年代における免許を持っている人の数自体の減少を反映しているということなんでしょうか?
ではなく、車の所有率?
ともあれ、今回はこんなところです。
おそまつ!
▼こちらもどうぞ!
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)