「かぼちゃの馬車」
「レオパレス」
「TATERU」
―――昨年2018年は、不動産投資の世界にどこかターンオーバーの雰囲気が感じられました。
ターンオーバーです。
一方的な終幕とか、崩壊とかいうものではありません。
エンジンはちゃんと回っていますよね。
僕はまだまだ回り続けると思います。
え? もうひとつ、大事な事件を忘れてはいないかって?
これですか?
「ラッキーバンク・インベストメント」
こちらは不動産というより、金融不祥事ですね。
もっとも、不動産とも密接でした。
なお、この件については、
報道されているとおりでしたらホントにこまったものですね。
投資を募っていたというのではなく、
首の回らなくなった身内のために、流行りの仕組みを利用し、ただお金をかきあつめていただけでした。
その流行りの仕組みというのが「ソーシャルレンディング」です。
このソーシャルレンディングに関しては、
年が明けて、面白いことがおきました。
ラッキーバンク・インベストメントはじめ、続発した同業各社による問題を受け、金融庁がとてもよい判断を下しました。
よいとは思えませんか?
僕はよい判断だと思います。
・ ソーシャルレンディングのような仕組みをとる場合
・ 借り手が特定されるような情報が開示されていても
・ 今後は投資家自身への貸金業登録義務は課さない
これが公表されたのはつい約1ヶ月前のことです。
直接の目的は投資家保護です。
でもこれ、ダジャレじゃありませんけど、
金融という氷が融け出すような判断ですよ。
投資よりも一段ナマな「金融」という世界が、
あるいはチャンスが、
インターネットを通すかたちで、個人に開放された瞬間です。
やっぱり若い役所なんですね。金融庁って。
この方向性はどんどん前に進めるべきだと思います。
もちろん、パンドラの箱の中からは悪いものも飛び出してきますから、
いろいろなことが当面起きるとは思いますが、
それをふまえたうえで、僕は金融というのは、
・ 国家がしっかりと監視すべきものであったとしても
・ 国家が管理するカルテルからは解放されるべきだ
と、思っています。
さてさて。
そこで、
この「金融の開放」におそらく絡みやすいはずのこととして、
なんとか上手い仕組みができないものかな?
と、僕がよく思うのが奨学金なんです。
「奨学金」です。
もちろん誰もがご存知ですよね。
勉強したい人のために、学費を貸す制度です。
この奨学金って、たしかに金融制度のひとつではあるけれど、
実は、投資的な本質をかなり秘めているものなんですね。
なぜって、
スタートアップ企業と同じです。出世払いなんだから。
この奨学金を
その全部でなくても一部を
金融の開放によって、
投資であり、ある意味で福祉にもしてやることが出来ないかなと、僕はよく思うんですよ。
奨学金をもらって勉強をして、社会に出て成功し、儲けた人が、奨学金を貸してくれた人にたくさん配当を戻したって、それっていいはずでしょ?
不純ですか?
これをいうと、不純だとか、不謹慎だとかいうような反応がすこぶる返って来やすいんですが、
逆に、儲からなければお金は返さなくていいんですよ。投資なんだから。
学校を出て、がんばったけれどしくじってしまった元奨学金受給者が、巨額の借金に追われる地獄を放っておいている社会の方が、僕は、不純で不謹慎で無駄だと思います。
つまりは、「あしながおじさん」を集めるための何かうまい仕組みです。
それが、いま起きつつある金融の氷解の先に出来上がっていけば面白いな、という話なんです。
子育て支援に年金をからめたような巧妙な仕組みだって、工夫すればなんとなくつくり上げられそうですよね。
個人による金融が、
ぶっちゃけていえば金貸しが、
ITソーシャルな舞台の上で自由化していくことの先には、意外に洗練された面白い世界が広がっているのかもしれませんよ、というお話です。
ちなみに、あしながおじさんは、投資の結果としてちゃんと配当をもらってますからね。
主人公の愛という配当を。
しかもたんまりと。
結構不純なヤツです。
以上、おそまつ!
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)