ところで、ほうれい線ってあるにゃろ? 年とるとどんどん出てくるやつ。顔に。
あれ、英語で何ていうか知ってるにゃ?
知らにゃい?
答えは「smile lines」にゃ。あるいは「laugh lines」ともいうよにゃ。
つまり、ほうれい線って「笑顔」のラインなんよ。「微笑み」のラインってことにゃ。これって、トラキチは昔からすごく感動的に思ってるにゃ。
ちょっと目を閉じて、想像してみるにゃ。
これを読んでるキミの目の前に、いま小さな子どもがいるとするよにゃ?
その子はホントに小さな子どもにゃ。2歳でも3歳でも4歳でもいいにゃ。
そんで、その子の顔には、ほうれい線はないよにゃ? もちろんまだ幼い子どもだもんにゃ。
さあ、そこで… その子がにゃ、何がおかしいのか満面の笑顔でキミにほほ笑みかけてきたんよ。にゃはは。かわいいにゃ。
ハイ、そんでその時、よ〜く見てみるにゃ。その顔を。
その子の顔。かわいい笑顔をよ〜く見るにゃ。
ほうれい線 が出てにゃい?
出てるにゃろ?
出てるにゃろ?
意味、わかるにゃ? わかんにゃい?
つまりにゃ、その顔って年寄りの顔に近いんよ。逆にいうと、人間って実は年取るほどに顔が勝手に笑顔に近づいていくようになってるんにゃ。
赤ん坊だって、笑えば目が細くなって目尻にシワが寄るにゃろ?
なおかつほうれい線までくっきり出てくるにゃんか。
あれ、年寄りの顔なんよ。赤ん坊だけど、一瞬年寄りの顔に近づいてるんにゃ。
にゃので、ほうれい線の深〜い年寄りの顔って、実はすでに90%くらい笑顔が完成してる顔なんにゃ。つねに笑顔が準備万端の顔なんにゃ。
あとはちょっと頬がゆるむだけで… ほら、もう完璧に笑顔にゃ。
便利にゃろ?
なんてったって、ベースがもう笑顔寸前の状態になっちゃってるんにゃもんな。
これって、すごいにゃろ?
にゃから「smile lines」なんにゃ。「laugh lines」なんにゃ。
それなのに、昨日、今日と来た日には、薬やら何やらで、ほうれい線を消す? 無くす?
アホにゃ。
そういうつまらない努力は、キミらが普段から難しい顔して笑顔を捨ててしまっているから、無駄に必要になってるだけのことにゃ。
子どもの笑顔って、マジ輝いてるよにゃ。
トラキチはよく近所を歩いていて、保育園児の散歩に出会うにゃ。
命がすくすくと育っていくすさまじいエネルギーに圧倒されるよにゃ。ある意味で打ちのめされるにゃ。
一方で、たまにでっかい病院なんかに行くと、あからさまに言って「死の病室」ってあるにゃろ?
煮干みたいに細くなったばあちゃんやじいちゃんが、動けにゃいまま並んで寝かされている部屋…
おとといはあっちのベッド、今日はこっちのベッドって、順番にいなくなってどっかに旅立って行っちゃう、なんだかやたらと荘厳な部屋…
そんな部屋にお見舞いに行って、見舞う相手のお隣のベッドの人に、
「こんにちは」
挨拶するにゃろ?
すると、その時声も出せないまま返してくれる顔中がほうれい線みたいな笑顔に、トラキチは保育園の散歩と同じパワーを感じるんよ。
何かを受け渡されている感じがするんよにゃ。
生命と生命の間に引き継がれる何かをにゃ。
なんで、子どもたちも圧倒的にゃけど、こっちも 圧倒的 にゃ。
もっとも「こんにちは」と声をかけても、そういう部屋では向こうはスースー寝ちゃってることも多いんにゃけどな。
まあ、そんなわけにゃ。
そんなわけで、ほうれい線がみっともないから消す? 無くす?
そのためにクリームを塗る?
その前にキミは 笑いにゃさい。
これはトラキチからのミッションにゃ。
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんからお借りしているにゃ!)