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わが大阪へのオマージュ <トラキチ旅のエッセイ>第5話

 

私は歩き方がお笑い芸人の坂田利夫師匠に似ているといわれる。

 

なので、大阪の街では注意しなければならない。人違いをされて、偉大な師匠の名を汚してはならない。

 

大阪。数年前から、この街と縁が深い。

 

通勤するかのように、毎週訪れた頃もある。

 

さらに、若い時分は憧れていた。住んでいた地方のローカルTV局が時折深夜に流す大阪の番組にひどく惹かれた。

 

なんば・十三・天神橋――

新地・本町・天王寺――

 

行ったことのない場所の名前をいくつも覚えた。

 

雑踏の交錯する梅田の巨大な地下通路。心斎橋から南側のターミナルへ、水が流れ下るような人の波。

 

大阪では、いつも感心する。どの方向へ急ぐ人も、その身ごなしがいい。

 

ここは見知らぬ者同士が雑多に混交する都会という場所。この街の人々は、そこでの生活にまことに多くがこなれている。

 

インフォメーション・テクノロジー=IT。

 

この言葉が経済の主題となって以来、ややしばらく、わが大阪には迷いが続いている。

 

対面と、会話と、それに伴う互いの本質的理解。

 

人間の温もりを主電源とするかのようなこの街のエコノミクスは、いわゆるITの波には乗り切れていないが、しかし、それは時代に遅れているということではない。

 

愛を込めて、言わねばならない。

 

すなわち、ITこそが、産業技術としてまだ大阪の身ごなしに追いついてはいないのだ。

 

(上記は初出2009年。内容は当時の印象に基づくものにゃ。トラキチ旅のエッセイは、過去に別の個人サイトで別名で公開していたコンテンツにゃ)

 

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