戦場となったウクライナに捧げる詩 平和への願いを込めるにゃ

下の一文はトラキチが書いた「詩」にゃ。少しエッセイ風のトラキチ・スタイルの詩にゃ。元は2014年のクリミア半島併合(国際的には未承認)のときに考えたものなんにゃけど、少し手直ししてみたにゃ。

 

タイトルは「一匹の魚になって、北大西洋を東へと泳いでみたい」。みんなもこの勇気ある魚と一緒に旅してみてにゃ。

 

 

一匹の魚になって、北大西洋を東へと泳いでみたい

 

一匹の魚になって北大西洋を東へと泳いでみたい

やがて前方に二つの大地が迫ってくる

左手にヨーロッパ、右手にアフリカ

魚はその真ん中に口をあけるジブラルタルの海峡を目指す

 

潮の流れに乗り狭い関門をくぐりぬけるとそこは地中海だ

人類の文明を育んだまさにゆりかごの海となる

魚はさらに東を目指す

シチリア島、マルタ島をかすめギリシャの南へ

そして向きを変え北へと向かう

そこはエーゲ海

散りばめられた美しい島々を縫いつつ

魚は光あふれる波の下をゆく

 

魚はまた海峡にさしかかる

ダーダネルス海峡だ

この細く長い回廊を抜けるとマルマラ海

つかの間、次はボスポラス海峡

まるで縮れ糸を横たえたかのようなこの水道を通過すると

そこはいよいよ黒海だ

地の果てならぬ海の果てといっていい

 

魚はさらに進む

黒海の北東をめざす

なんとまた海峡が現れる

その名はケルチ海峡

そして、その先の海こそがこの魚の知る旅の終点だ

「アゾフ海」という

 

ところが、はるばるやって来てみると

アゾフ海は何とも不気味な海だ

広大な大西洋生まれの魚にとっては水深が浅すぎる

 

息苦しい閉所の圧迫感に胸が騒ぐ中

「そろそろひきかえそうか」

と、思ったところ

水底から見ていた二枚貝がこうつぶやいた

「やめるのか? まだ先があるぞ」

 

聞くと、このアゾフ海の奥にある長大な砂洲の北端に

さらなる海峡がぽっかりと口をあけているらしい

その先には文字どおりのさいはての海が

静かにたたずんでいるのだという

 

海峡の名はゲニチェスク海峡

海の名はおそるべきことに「腐海」(Rotten Sea)

 

水深は深いところでも3メートルちょっと

そこにはあらゆる生物にとって、もはや死の世界といっていい

塩と泥の満ちた世界がひろがっている

 

しかし魚はひるまなかった

「ここまで来たのだ。行けるところまで行ってみる」

元気にその尾をひるがえした

 

この腐海の西および南のほとりに浮かぶ土地がクリミア半島だ

ウクライナ南部に属しながら

ロシア人が数多く暮らすクリミア自治共和国

 

ロシアが租借中の軍港都市セヴァストポリを載せた

抜き差しならない大地となっている

 

 

どうにゃ?

 

以上の詩の中に出てくるアゾフ海や腐海こそが、まさに今回の戦争のもっとも激しい戦いの舞台のそばに広がる海にゃ。

 

腐海はトラキチが昔から観に行きたいと思っている場所にゃ。観光は平和でなければできないにゃ。

 

早く、早く、早く平和が戻って欲しいにゃ。

 

(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんからお借りしているにゃ!)