トラキチは前々から不思議なんにゃ。
中国は「経済特区」で成功したのに、なんで「民主化特区」をやらないんにゃろ?
経済特区って、すごい発明品にゃ。しかも、中国という国にとって実に理にかなったすばらしい発明だったとトラキチは思ってるにゃ。
中国には、われわれ日本人からはなかなか見えにくいひとつの正体があるにゃ。
それは 多様性 にゃ。西ヨーロッパと中央ヨーロッパを全部ひっくるめて、一国にまとめてしまってるくらいの多様性。
「国はひとつ」
「でも他地域のことはよう知らん。下手すりゃ言葉もわからん」
それが平常の空気になっている、国内における一種の国際性。
広東省なんて、どう見たってあそこに日本クラスの大国が一個ハマっているようなもんにゃぞ。
こういう国では、47都道府県みんな一緒に手を携えて―――みたいな良識(?)を唱えなくとも、
「あっちはあっちのやり方」
「こっちはこっち」
が、あたりまえにゃから、
「わが人民が市場経済を上手く扱えるかどうか、深圳だけちょっと先走りさせてみよう」
が、実にやりやすかったはずにゃ。
もちろん、制度を進めた当人たちは、薄氷を踏むような思いでもいたんにゃろうけどな。
ともあれ、結果、経済特区は見事に成功したよにゃ。探せば細かな問題はいろいろあるんにゃろうけど。
そこで、トラキチは20年前くらいにはこう思ってたんにゃ。
中国は、次は多分「民主化特区」をやるんにゃろな―――って。
やればいいのにって。
でもやらにゃいよな。
これにはマジ、ガックリにゃ。
出来るにゃろ?
半分嫌味でいうけど、仮にもしも失敗したら簡単にぶっ潰せるだけの力を中央政府は持ってるんにゃから。
いまの中国は、漢末・明末・清末みたいなフラフラした国にゃない。腹立つけど 盛唐 みたいなもんなんにゃから。
いいタイミングにゃろ?
やってみるといいのに。
人口せいぜい数十万人から100万人くらいの小さな(中国的には)町で、民選首長と民選議会を育ててみるんにゃ。
やってみ。
立候補要件を日本並みに問わない選挙をやってみるんにゃ。
やってみ。
国政に関連する以外の政策論争は自由。票の買収や汚職の無かった町は、次も民選で町の意思を決められる。
やってみ。
これは隣国に対するトラキチからの愛を込めた提言にゃ。
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんからお借りしているにゃ!)