いま、自分が子どもに戻れたらなあ、と、ため息をつくようなことが時々あります。
たとえば、本屋さんで、子ども用の図鑑をめくるとき。
「なんときれいで、内容豊富で、充実してるんだろう・・・!」
5歳から10歳くらいまでの僕は、とにかく図鑑が大好きだったんです。
小学館のやつも、学研のやつも、
読んで、読んで、読み倒して、もうボロボロです。
(自慢してるんじゃないですよ。ちゃんと、学校の勉強はまるでダメでしたから)
いまの講談社の「MOVE」も小学館の「NEO」も、
タイムマシンがあれば、
風呂敷かダンボールいっぱいに抱えて、当時の自分のところへ持って行ってあげたいです。
軍艦もそうです。
忘れもしない、小学校の4年生の時分、「宇宙戦艦ヤマト」がきっかけになって、以降、異様に軍艦に凝りました。
親からもらう毎月の小遣い、親戚からもらうお年玉、ほとんどをプラモデルの「ウォーターラインシリーズ」に費やしました。(ただ、お金がぎりぎりなので、色までは塗れない)
イギリスのロドネイ、ドイツのグナイゼナウ、美しさに観惚れました。
日本の空母龍驤、これほど愛を感じたフネもありませんね。
「なんという不格好な姿なんだ」と、呆れかえりました。
同じく空母の「信濃」の箱をひらいたとき、中から戦艦大和と同じ甲板が現れたときは、ゾッとするくらいに感動しました。
「ああ、プラモデルでもちゃんとそうなってるんだ・・・!」
(好きな人はご存知のとおり、信濃は大和型の三番艦です)
暫し、手にしたまま動けませんでした。
当時、子どもが軍艦のことを知る教科書といえば、たしか秋田書店が出していた児童書のシリーズ、あとはジャガーバックスの何冊か、くらいでしたかね。
飽き足らず、新聞社がまとめたような、大人向けのいわゆる「画報」のようなものも、誰か近所の人にでも貰ったものかと思いますが、よく読んでいました。
雑誌の「丸」はすでにありましたが、ちょっと子どもの手には負えない内容、体裁でしたね。
ただ、それよりもなによりも、とにかく寂しかったのは、同じ趣味の友達がいなかったことです。
プラモデルをつくる小学生はもちろんあの頃はたくさんいましたが、みんな戦車なんです。
ドイツの戦車をつくり、ジオラマに進む。
それが少年モデラ―の王道でした。
軍艦が好きな子どもなんていうのは、よほどの変わり者でしたね。
「住んだこともないところの山や川の名前をなんでそんなに知ってるの?」と、学校の先生に不思議がられましたが、要は全部、日本の巡洋艦の名前でした。
いまは、軍艦は随分と人気でしょう?
自衛艦も含めて。
子どもにも人気、なんだろうか。
CGだの、着色した写真だのが満載の本が、「なんでこんなに数多く?」・・・っていうくらいに本屋さんの棚を飾っていますね。
とにかく、それらのビジュアルがすごい。
目を見張るようなビジュアル!
雑誌の「艦船模型スペシャル」なんか、10歳の僕をタイムマシンに乗せて現在に連れてきて見せたら、いきなり卒倒するかもしれませんね。
実物の「いずも」「かが」「こんごう」「あたご」・・・なんかも、観たらきっと狂乱してるでしょう。
図鑑、軍艦・・・
そうだ。ほかには、映画の「ジュラシックパーク」シリーズも、幼い子どもの頃にぜひ観たかったですね。
たまらん!
芦田愛菜ちゃんじゃなく、恐竜の絵とかの方ですよ。
くらべる図鑑の「くらべる」っていう切り口が、特に男の子心をくすぐりますね。
比べて、区別して、優劣を争って、ときには差別して・・・
そのあとで子どもは「世界に一つだけの花」の価値がわかればいいんじゃないだろうか。(順番が逆じゃない方が多分いい)
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