プロが本当に薦めるいい賃貸物件って?
それは、「大家さんがすばらしい」物件のことです。
今回はこんな話をします。
賃貸生活、最も重要な幸せのカギは「大家さん」
部屋探しのとき、一般の皆さんは、物件の善し悪しを主にこんな条件で見極めようとします。
家賃や管理費なんかのコストに対しての
・物件の新しさ
・設備の充実度
・お部屋の広さ
・立地の利便性
等々・・・
つまりこれらは、基本的には物件広告で把握できることです。
さらに、実際に現地を見れば、おおむね状況をつかめること。
でも、プロの目からみると、
・賃貸住宅での生活の幸、不幸を
・ときに完全に左右してしまうくらいの
・大事なあること
にかぎっては、
通常、広告からはまったく把握できず、
現地を見に行っても、多くの場合、把握することはできません。
それは何か?
大家さんの資質です。
以前知り合った、ある不動産会社のベテランスタッフがこう言ってました。
「僕は、申し訳ないが、大家さんと入居希望者さんのランクをそれぞれA、Bはっきり2つに分けています」
「Aランクの入居希望者さんには、Aランクの大家さんの物件を薦めます」
「Bランクのお客さんには、Bランクの大家さんの物件しか薦めません」
この場合もちろん、
人間性やマナー、姿勢、態度において、Aが上、Bが劣る、ということになります。
仕組み上、あたりまえのことですが、不動産会社には、入居者さんと大家さんとの間に立つ仲人の側面があるんです。
良心的な会社や担当者ほど、入居者さんと大家さん、両方の幸せを願う仲人としての気持ちが強いんです。
さらに、人と人とを引き合わせる、その能力も高いと思ってください。
長くなるので、具体例はひかえますが、
「資質の高い大家さんの物件に住む入居者さんほど、幸せな入居者さんはいません」
管理会社が介在していても、それは同じです。
なぜなら、
資質の高い大家さんは、よい管理会社を選ぶ能力、さらにはそれを動かす能力にも優れているからです。
では、そういう大家さんを見分けるにはどうしたらいいのか?
結論をいうと、部屋探しをしている段階では、それは入居希望者さんには窺い知れないことなんです。
でも、運よく判っちゃうこともあります。
あとで、ヒントを書きますね。
なお、僕のモノサシでは、
・ 物件を自ら頻繁に、きれいに掃除する大家さん
は、多くが資質の高い大家さんです。
・ たとえ管理会社に物件管理をさせていても、それでもあえて、自らも掃除に出向く大家さん
は、かなりの割合で資質の高い大家さんです。
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不動産会社の多くは大家さんと面識がない?
さて、
そんな影響甚大な「大家さん」ですが、実は、賃貸物件の入居者募集をしている不動産会社の多くは、
自分の会社がそのとき扱っている物件について、
・大家さんが誰なのか、一部の物件については知っているが
・その他、多くの物件ではまったく知らない
と、いうことも事実なんです。知っておいてください。
なぜなのか?
賃貸物件を扱う不動産会社は、場合、場合に応じて、2つの立場に立ちます。
ひとつは、
・大家さんから直接募集依頼を受けている立場
(業界用語で「元付け」あるいは「物元」)
もうひとつは、
・元付け・物元会社から情報を流してもらい、募集を行う立場
(業界用語で「先物会社」あるいは「客付け」)
実際、大家さんの多くは、普段から懇意にしている1社に募集を任せています。
特別なねらいやポリシーのある場合を除いて、多くても2~3社まででしょう。
(ウチ以外の会社には募集依頼しないでくれ―――と、大家さんに約束をさせる会社もあります)
なので、一個の物件で入居者が募集されるとき、
・元付けは1社のみ
・先物会社は複数
と、いうパターンがごくごく普通です。
そうした仕組みから、多くの会社は、
あるときは元付けの立場、あるときは先物会社の立場に立って、募集を行います。
このうち、先物会社の立場に立った場合、大家さんとの接触は生じません。
過去にその大家さんとお付き合いしたことなどがないかぎりは、先物会社は、その物件の大家さんが誰かを知らないまま、
あるいは、知っていてもまったく会わないまま、
募集だけを進めるということになるわけです。
担当者の「ポロリとひと言」に耳をそばだてよう
さて、そんなわけですので、
部屋探しのときは、不動産会社のスタッフが漏らすほんの小さなひと言に、ぜひ注意を傾けておくことがポイントです。
「この物件もいい・・・こちらもよさそう・・・どうしよう」
なんて、あなたが迷っているときに、ポロリとそれが出ますよ。
「この物件、大家さんがいい人なんですよね・・・こっちの物件よりも駅徒歩で2分遠いんですけど」
そもそも、大家さんへの評価というのは、広さが何平米あるとか、便利な設備が付いているといった具体的なことではないので、担当者はあまり口には出さないんです。
それでも、気持ちが入ると、ふと出てきます。
そのときは、すでに見てきた物件の情景を思い出しましょう。
「そういえば、エントランスがきれいだったな」
「植木や花がよく手入れされていたな」
「ゴミ置き場もしっかり整頓されていたな」
「さては、大家さんが毎日マメに掃除しているのかな?」
そのときあなたは、
・ 大家さんのことをよく知る元付け会社を偶然相手にしている
・ 資質の高い大家さんの物件が、たまたま目の前の候補に挙がっている
・ 資質の高い大家さんの物件を薦めてもいい客だと、あなたが思われている
そんな、幸運をつかみやすいポジションにいる可能性が「大」であるということです。
いかがですか。
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(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)