あんまし知られてないけど、トラキチがとても好きなクリスマスソングにゃ。
「CHRISTMAS TIME IN BLUE ―聖なる夜に口笛吹いて―」
作詞・佐野元春 作曲・佐野元春。
リリースは1985年の暮れ近くだったよにゃ。
ちょっとデカめの12インチシングルで売り出されたにゃ。
ちなみに、当時はこの12インチが普通のシングルよりも音質のよいフォーマットだなんて言われてたにゃ。ホントだったんにゃろか。
ジャケットを描いたのは牧野良幸さんという方。いまもあちこちでイラストなんか見かけるにゃ。
で、この曲、なんとレゲエなんよ。
そう言っちゃうと言い過ぎなんで、訂正すると、レゲエ風の元春サウンドだにゃ。
詞がいいんよ。
恋人同士のためでもない、子どもたちのためでもない、とても根源的で深いものになってるにゃ。
なので、何年経っても古さを感じることがないにゃ。
そのうえで、トラキチ思うに、この曲の詞はどこかお経に近いんよ。
執拗に羅列的で、愛というより「慈悲」が感じられるんよにゃ。しかも、あえてキラキラと装飾的にゃ。
きらびやかなクリスマスの街をひとりゆく孤独な人物。
それをやや憐憫の交じった気持ちで見下ろしている我々。
そこで、気が付くと、我々はいつの間にか彼と一緒に世界を照らす美しい光に包まれている。
しかも、さきほどの孤独な人物は、実はその光に我々よりもずっと先に気づいている。
つまり、彼は孤独なのではなかった。
孤独なのはわれわれの方だった。
そんな、相即相入、重々無尽を感じるような作品だにゃ。「ジョン・レノン的だ」と、いう人もいるにゃろな。
ただし、この詞の中では、その聖人みたいな主人公は、気兼ねもなくサンタクロースに誓いを立ててしまうんよ。
無神論的だったり、厭世論的だったりといった方向には向かわない。
たとえば、ガウンをまとったミッキーマウスが夜の星に祈るように、ごく世俗的な雰囲気で誓いを立てるにゃ。
たとえ、彼が道端のホームレスであっても、アメリカ大統領であっても成立するような、そんな、繰り返すけど根源的な詞だにゃ。
(最上段の画像はamazonさんより引用にゃ)