賃貸住宅の1階は人気が無い。
ロケーションの悪い物件だと、一旦空室になったら最後、半年も1年も埋まらない。
どうにかしよう!
と、いうおハナシです。
2つアイデアを出しますね。
突飛な案だと思われるでしょうか?
僕はかなりマジメですよ。
対策1.部屋の中見せます仕様にする
ひどい物件が、巷によく建っています。
通りに面して、ずらりと並んだ賃貸住宅の1階のテラス。そこにはきまって床面から立ち上がる大きな掃き出し窓が付いています。
引き戸になったやつです。
冬、いかにも寒そうな、アルミサッシの一枚窓です。
そんな部屋にあなたは住んだことはありますか?
ある?
ならばご存知ですね。
カーテンをシャーッと開いた途端、外を歩いている人の目から、部屋の中が丸見えです。
なので、こういう部屋では、留守中や夜、シャッターを下ろしちゃう入居者さんがよくいます。
そんな窓には、大抵雨戸代わりのシャッターが付いていますから。
否、留守中や夜に留まりません。
部屋に居るときさえも。
上げたり下げたりが面倒くさいので、四六時中シャッター下ろしっぱなしで暮らしている方もよくいます。
そんな風景、見ているこちらまでが暗い気分になってきてしまいます。
窓の外側にバルコニー風の目隠しをつけている物件もありますね。
ポケットみたいなあれです。土ぼこりが溜まるやつ。
それがあったにしても、ほとんどの場合、やはり外から部屋の中は見えてしまいます。
そんな風景を眺める人曰く、
「あんな部屋には住みたくないなぁ」
住んでいる人は住んでいる人で、
「どうにか早いとこ脱出しよう」
多くの人にそんな想いを抱かさずにはおかない、賃貸住宅にはよく見られがちな景色です。
で、対策です。
外を歩く人から部屋の中が見えやすい1階の部屋。
僕は、そんなのはもう、開き直って、逆に「中を見せます仕様」の部屋にしちゃっていいと思っています。
そのためにはこうします。
窓から1メートルくらい部屋の内側に、可動式の間仕切りを設けてあげるんです。
たとえば、
天井から下げる可動式間仕切り。
あるいは、
突っ張り棒付きのパーテーション型のカーテンレール。
ともあれ、可動式のを。
(可動式じゃないと、いざ外光をたっぷり部屋に入れたいとき不便ですからね)
そのうえで、間仕切りの外側、窓側の空間を
「なんなら外を歩く皆さん、見て行って」と、してしまえるようなスペースにしちゃいます。
いわばギャラリーですね。
「みんな、ここ覗いてって」っていう場所にしちゃうんです。
さらに大家さんはスポットライトでもつけてあげましょう。天井に。
入居者さんはそこに花でも飾りましょうよ。
とってもステキですよ。
つまり、その場所って、縁側っぽい空間でもあるんです。
日本家屋の縁側です。雨戸の内側、かつ障子戸の外側の部分。
空間を広めに取れるんなら、そこにテーブルを置いて、外の人に見られながら朝食を採っちゃう場所にしたっていいわけです。
楽しそうでしょ?
秋にはハロウィンかぼちゃ、冬にはクリスマスツリーなんか飾っちゃいましょう。
街の風景を飾るひとつになれるって、とてもすばらしいことです。
なお、以上を実行するのに、
若干課題になりそうなのが、エアコンですね。
外から部屋の中がモロ見えしちゃうような窓の真上って、エアコンの室内機の定位置になっていることが多いんです。
なので、エアコンの位置を変えないのなら、風がちゃんと抜けるように、天井側の空間が開く、縦の突っ張り棒付きのカーテンレールユニットで間仕切りするのがいいでしょう。
たとえばこんなやつです。
(カーテンレール式以外にも、ブラインド上げ下げ式のものも様々あります)
(dinosさんのページより引用)
なお、こういったアイデアは、入居者さんからはなかなか出てこないものなんです。
入居者さんのほとんどは従順なんです。与えられたお部屋の環境に。
かわいそうなくらいに。
なので、
「仕方ないな。こんな部屋しか借りられないワタシが悪いのね」って、シャッター閉めちゃうんです。
さっきの話ですよ。
大家さん側で実際にかたちをつくり上げ、写真に撮り、広告して、提案しないと、なかなか想いは届きません。
対策2.管理人室にする
賃貸住宅で、大抵一番の不人気となる最悪の部屋。
それが1階・エントランス直近の部屋です。
窓やテラスが通りに面していることもしばしばです。
そんな部屋のそばには、往々にして住人用の郵便受けが並んでいたりもして、開け閉めされるたびにバッタン、バッタン、
やたら鳴り響いたりもしています。
しかも、部屋の壁の外側には2階に上がる外階段がくっついていたりします。
すると、足音が朝からドタバタ、夜もドタバタ、
とにかく落ち着かない。
誰もがなるべく住みたくなく、住めば早く出たがる、ホントにかわいそうなお部屋です。
結果、家賃は取れない。
そこだけほかの部屋より安いこと、よくありますでしょ?
しかも、当然ながら、退去が出るとなかなか次の人が入居してくれません。
そこで、この部屋、僕はよく思うんですよ。
「管理人さんに住んでもらったら」って。
何のこと言ってんのかわからない?
大昔は管理人さんというのが多くの賃貸住宅にいたんです。
その人、大抵1階の端っこなんかの、条件の悪い部屋に住んでいたんです。
なぜなら、管理人さんにとっては、そこって便利な場所だから。
昔は、大家さんの親戚筋にあたる若い夫婦や、姪っ子さんなんかがよくそんな管理人の役目を仰せつかっていて、
ほかの入居者さんよりかなり安い家賃、あるいはタダで暮らしながら、
建物の掃除、家賃の回収、入居希望者への内見案内、ちょっとした設備の修理など、一連の仕事をしていました。
そうです。「めぞん一刻」の音無響子さんです。
彼女がまさにそんな立場の管理人さんです。
で、提案です。
僕が思うに、さっきの1階のド不人気の部屋、こういう部屋については、
「管理人をやってくれる人」
平たくは、
「大家を手伝ってくれる人」って、呼びかけて、募集をかければいいんです。
「週一で共用部分の掃除をしてください。ゴミ落ちてたら拾うのお願いします。廊下の電球が切れたら取り換えもお願いします。それをしてくれる人は家賃2/3でいいです」
あるいは「半分でいいです」って。
空室が半年だの1年だの続くよりいいでしょう?
「空き巣が出たら捕まえて、なんてキケンなことは言いませんが、物件に何かあったら警察・消防・大家への通報はよろしく頼みます」って、お願いするんです。その人に。
自主管理で、物件のそばに住んでいない大家さんにとっては、こんなに心強い存在はないし、
管理会社に管理を頼んでいる場合でも、別にこういう人がいたって全然いい。
「巡回と掃除はいらないから」ってことで、管理会社へ払うコストを下げられる可能性だって、もちろん十分にあるわけです。
いかがですか?
1階エントランス直近の不人気部屋は、最初にふれたように、他の住人の気配があまりに感じられ過ぎて、ストレスばかりが溜まる部屋です。
でも、それが管理人さんの部屋だとするならば、そこって、建物全体の様子を把握しやすい、仕事がとてもしやすい位置にある部屋なんですね。
そんな部屋に住んでくれる大家さんのパートナーとして、
真面目でコミュニケーション能力の高い人をうまく「採用」できたら、賃貸経営はとてもすばらしいことになっていくはずです。
たとえば、想像してください。
長期入居されている高齢の入居者さんがいらっしゃる。大家としては最近はつねづね様子が気がかりで仕方がない・・・
そんなアパートに、何かのとき頼りになる人が住んでくれている・・・
説明は要りませんね。
以上、おそまつです!
▼こちらもどうぞ!
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんより)