「価値観が一緒の人と結婚したい」
若い皆さんにそんなこと言われて、トラキチは、
「そうか、いい人見つかるといいね」
笑顔で相づちを打ちつつも、実は心の中では「ケケケ」と笑ってるにゃ。
ホントは同意なんかぜんぜんしてないんよ。
でも、オトナの達観ひけらかすようでイヤらしいから、決して本音は見せないにゃ。
にゃけど、ここでは持論を述べるにゃ。
人生のパートナー選びの条件として、「価値観が一緒」にゃんて、そんなに大事なこととはトラキチにはまったく思えないにゃ。
それよりも、こんな風に考えた方がいいと思ってるにゃ。
・相手のもつ価値観が
・キミとは違っていても
・それをキミが優しく認めてあげられる相手
そんな相手を選ぶといいんにゃない?
価値観の一致なんて多分そんなに重要にゃないんよ。結婚相手はビジネスパートナーにゃないんにゃもん。
それよりは、
・ひょっとしたらキミと180度違っちゃってるかもしれない相手の価値観を
・それでもキミはなぜか優しく包んであげたくなっちゃう
そんな相手を見つけられた方が、ナンボか幸せにゃ。
あ、そこでキミ、いま想像したにゃろ?
そうにゃ。イヌかネコなんか飼ってる人は、このことの理解が早いにゃ。特にネコにゃろな(笑)
たとえば、ネコって、テレワークなんかしてる人がパソコンさわってるとキーボードに乗っかって来て、邪魔したりするにゃんか。
「仕事やめて!私にかまって!」って。
「いやいや、仕事があってこそボクたち生活できるんだよ。人生充実させられるんだよ」
にゃんて言っても、全然いうことなんか聞いてくれないにゃ(笑)
ちなみに、トラキチは、スーパーでひとりで買い物をするとき、賞味期限や消費期限の違う同じ商品が棚に並んでいたら、必ず期限が一番迫っているものを買うんよ。
なぜか?
かわいそうな気がするからなんにゃ。その商品が。
「次に僕が捨てられる~!買って!助けて」って。
豆腐やら納豆やらが泣いている気がして仕方がないから買うんよ。
で、それとともに、もちろん理屈としては食品ロスを一個でも減らしたいがためにゃ。
でも、トラキチの彼女は違うんよ。
トラキチがそんな商品を棚から取ろうとすると、
「またボンヤリして!」
って、叱られるにゃ。
「わざわざ古いの取らないの!」
棚に戻されちゃうにゃ。
そのとき、トラキチは何ていうか?
「ニャハハ、ごめん」だにゃ。
価値観違ってるにゃろ?
同じ対価でどんなバリューを手にするかについて、あるいは、食品ロスが世の中の問題であるのならば、そのことを考えるべき主体は客なのかお店なのか、どちらなのかを判断するにおいて、トラキチと彼女の価値観は明らかに違ってるにゃ。
にゃけど、トラキチはそこもひっくるめて彼女が可愛いので、ぜ~んぶ認めてあげちゃうんよ。
だって、家に同じ人(いつも考えの同じ人)が二人いても人生退屈でしょうがないにゃん。
つまりはそういうことにゃ。
もっとも、人の幸福に一律の答えなんてものは当然ありはしないにゃ。
価値観も人生の目的も高度に一致しているベンチャー企業の社長と片腕みたいな夫婦も、世の中にはたくさんいるにゃ。
そんで、そんな二人が「パワーカップル」なんて呼ばれて、幸せな生活を掴んでる例も多いにゃ。とりあえず外目にはにゃ。
ただ、見ててちょっと思うのは、父親と母親がそんな風だと、子どもの方はどうも疲れちゃってるケースが多い気がするよにゃ。
パパとママの価値観や人生の羅針盤が似たり寄ったりだと、おそらく子どもとしては逃げ場を失ってしまうんにゃない?
しまいには家にいて息が詰まっちゃうかもしれないにゃ。
なんで、そういう場合は、たとえば親戚に風来坊みたいなおじさんがいて、その子にパパ、ママとは別の生き方を見せてくれるとかだといいんよにゃ。
つまり「寅さん」にゃ。
トラキチは寅さんのような人生に憧れてるんにゃけど、寅さんの貧乏な点にだけは憧れてないにゃ。
貧乏は嫌にゃ。なんとかお金持ちになれないかにゃ~ にゃはは
と、まあそんなとこにゃ。
(イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんにお借りしてるにゃ!)