トラキチにはにゃ、普段からものすごく「かわいそうだにゃ～」と、思っている言葉が２つあるにゃ。その話をするにゃ。
「株」にくっつく余計な「式」ってなんにゃ？
かわいそうな言葉。そのひとつは「株」にゃ。株式会社の「株」。これ、とても気の毒な言葉にゃ。
ちょっと話を遠回りさせるにゃ。
たとえばこれにゃ。キミはどう解釈する？
「トライ式学習法」
答えは簡単だよにゃ。「『家庭教師のトライ』さんが薦めている学習法」にゃ。
「家庭教師のトライ」さんが考案し、みんなにおススメしている。にゃので、「トライ式」になるわけにゃ。
ほんじゃ、次にゃ。
「腹式呼吸」
これもわかるよにゃ？「腹をふくらませたり、引っ込めたりするかたちで行う呼吸」のことだよにゃ。
腹式呼吸で心を落ち着ける、にゃんてよく言うよにゃ。
じゃあ次、「株式会社」。どうにゃ？
やっぱし答えは簡単にゃ。株式会社は「株」を発行することで資金を募り、資本を成り立たせる会社のことにゃ。
つまり、「株式会社」って、実は「腹式呼吸」と同じ構造になっているわけにゃ。「トライ式学習法」とも、同じつくりの言葉ということにゃ。
にゃので、「株式」の「式」は、「ここは日本なので、日本式でやりましょう」なんていう場合の「式」とまったく同じものにゃ。
英国式リフレクソロジー、なんてやつともおんなじにゃ。
すると…どうにゃ？
なんか変にゃろ？
なんでなのか、みんな「株」そのものを指して、いつも「株式」と呼んでにゃい？
「株式を譲渡する」なんていうよにゃ。
「株を譲る」と、言えばいいところ、なんでわざわざ「式」までくっつけるん？
自分のお腹（なか）のことを腹（はら）とは言っても、
「飲み過ぎで昨日から腹式（ふくしき）の調子が悪くってさあ～」
とは言わないよにゃ？
でも株は、株式というにゃ。
よく考えたら、なんだかわけのわからないことになってるにゃ（笑）
なんでにゃろ？
実はこれ、観察してみると、ちゃんと分水嶺があるんよ。「株」と「株式」、両者の間には明らかに１本、線がひかれているんにゃ。
簡単にいうとにゃ、フォーマルな時は「株式」にゃ。
話が下卑てくると「株」にゃ。
たとえば、
「当社が発行済みの株式の総数は〇〇万株です」
「特別口座に株式を記録・ご所有の株主様へ申し上げます」
なんてときは「株式」にゃろ？
でも、「あいつ、株で儲けたらしいよ（ケッ）」のときは「株」だよにゃ？
「あいつ、株式で儲けやがった（ケッ）」とは言わないよにゃ？
同じように、「うちの間抜けな叔父さんが、株で破産しちゃってさあ」とはいうけれど、「叔父さんが株式で破産しちゃって」とは、みんな言わないにゃろ？
そうなんにゃ。「株」は下卑た流れのときにこそ使われるんよ。本来正しい呼び方なのに扱われ方が低いんよ。
にゃんで、トラキチは、この言葉をいつも「かわいそうだにゃ～」と思って眺めているんにゃ。
「サイト」はなぜか悪意のレッテルにゃ
もうひとつ、かわいそうなのは「ウェブサイト」にゃ。
あるいは略して「サイト」にゃ。
これ、日本では、間違って「ホームページ」と呼んでしまったものが、代わりに定着してしまったよにゃ。
かといって、「ウェブサイト」や「サイト」という言葉が消え去ったのかといえば、そうでもにゃい。
ちゃんと使われているんよにゃ。たとえばこんなかたちで…
「フィッシングサイト」
「偽のサイト」
「国外の悪質なウェブサイト」
「パスワードを尋ねてくる詐欺サイトに注意！」
でもにゃ、さっきの「ホームページ」がウェブサイトのことを指すんだったら、こうでもいいんにゃない？
「フィッシングホームページ」
「偽のホームページ」
「国外の悪質なホームページ」
「パスワードを尋ねてくる詐欺ホームページに注意！」
「出会い系サイト」じゃなく、「出会い系ホームページ」で、いいはずだよにゃ？
なのに、なんでにゃん？
なんでみんな、いつもはホームページで、ある一定の場合にだけ正しく「サイト」と呼ぶん？
それはにゃ、つまりこういうことにゃ。
どういうわけか「ウェブサイト」や「サイト」は、
・悪意 がそこに込められた存在であるとき
または、
・利用者の リスク が高い存在であるとき
これらを表すときに、使われやすい言葉になってしまっているんにゃ。
にゃはは。ひどいよにゃ。
誰がこうしたん？
「株」より かわいそう だよにゃ！
ウェブサイト、正しい言葉なのににゃ。
２つの言葉の霊をなぐさめるために、トラキチは今宵も静かに合掌にゃ。
（イラストは「かわいいイラストが無料のイラストレイン」さんからお借りしているにゃ！）
